トラベルナース?聞きなれない言葉かと思いますが、アメリカでは確立された働き方のひとつです。今回は、トラベルナースになるのに必要な条件、そもそもトラベルナースって何?などについてご紹介したいと思います。
旅行看護師?バケーション感覚で訪れた街で看護師として働く?
トラベルナースとは、決まった病院などに就職するのではなく、看護師の人材派遣会社に雇われて仕事をする形態になります。基本的に、スタッフが足りない医療機関に派遣されるので、住まいに近いところに仕事があることもあれば、違う州で仕事をすることもあります。
どんな仕事?
現在アメリカでは、約170万人ほどの看護師がトラベルナースとして働いているといわれています。さまざまな場所で、看護師として働くのですが、医療機関とそのニーズにより、ひとつの施設で働く期間は4週間から26週間ほどです。
トラベルナースは、もともとの医療機関で働いているスタッフと同じ責任を負います。働く現場は、年間を通じてさまざま違う分野に割り当てられます。病院、ナーシングホーム、リハビリテーションセンター、ERなどなど。
トラベルナースになるには?
1.看護学校を卒業する。アメリカでは、短期大学の看護科を卒業(ADN)しても看護師試験が受けられますが、トラベルナースの人材派遣会社では、4年制大学卒(BSN)を採用条件にしているところが多いです。
2.NCLEX(アメリカ看護師試験)に合格する。NCLEXの受験資格は、看護大学を卒業することにより取得できます。また、外国で看護師の免許を持っている人が自国で受けた看護教育をアメリカの看護審議会に認めてもらうことにより、受験資格を取得できることもあります。
3.看護師免許を取得した新卒看護師が、トラベルナースになるには急性期医療の環境で最低1年の経験を積む必要があります。また、集中治療室や、救急治療、産科などはさらに専門分野での経験が必要になることもあります。経験が豊富な看護師は、看護技術が高く評価されトラベルナースとして重要な戦力になります。
4.トラベルナースの人材派遣会社に申し込む。
人材派遣会社のリクルーターが条件に合った仕事先を斡旋してくれます。
5.所持している看護師免許で働ける州か確認する
所持している看護師免許を得た州と働きたい州の両方がコンパクト(Nurse Licensure Compac)に参加している場合はよいのですが、そうでない場合は、その州のライセンスを申請する必要があります。
6.住居を確保する
トラベルナースの住居の選択肢はいくつかあります。人材派遣会社が提供している住居か、住居手当が提供されます。住居手当を受給する場合は、自分で住居を探す必要があります。手当で住居費を賄うのに不足分がある場合は、自己負担になります。
トラベルナースの収入は?
アメリカの看護師の給料は、州によっても違いますが、平均で年収約$75,000ほどです。そして、トラベルナースの平均給料は、約$102,000といわれています。そのほか、住居費の補助があるので、トラベルナースの収入はさらに高いといえます。
アメリカ看護師の働き方のひとつ、トラベルナースについてご紹介しました。ひとつの場所にとどまらず、いろいろな現場で働きたい、新しい環境にすぐになじめる方、違う医療機関で経験を積みたい方、トラベルナースとしてのキャリアを選択する人の理由は様々です。
アメリカの看護師について、ご質問があればぜひお問い合わせください。