看護師お役立ちブログ
アメリカの医療保険の種類をわかりやすく解説!
12.19.2025 | アメリカの看護師情報, 医療保険について

アメリカでは看護師の給与水準が高いことでよく知られていますが、それと同時に医療費も非常に高額です。医療費の負担があまりに大きいため、支払いができずに破産してしまう人もいると言われています。たとえば、救急車で運ばれて数日入院しただけで数万ドル (数百万円) の請求が届き、保険のカバー範囲が低かったために支払いが追いつかず、結果的に自己破産を選ばざるを得なかったというケースも珍しくありません。
アメリカの医療保険制度は、日本と大きく仕組みが異なり、種類も多いため複雑に感じる人が多いと思います。この記事では、アメリカで一般的な医療保険の種類をわかりやすく解説します。アメリカで看護師になりたいけど、医療保険ってどうなってるの?また、これから渡米予定の方、制度を学びたい方におすすめです。
1. 民間の医療保険 (Private Health Insurance)
アメリカでは、医療保険の多くが民間企業によって提供されており、加入方法としては以下の2つがあります。
雇用主提供保険 (Employer-Sponsored Insurance)
多くのアメリカ人が加入しているのが雇用主を通じた保険です。雇用主が保険料の一部を負担してくれるため、個人加入より割安なことがメリット。
- 保険料は給与天引き
- 家族を加えることも可能
- 入れるプランは会社によって異なる
個人保険 (Individual & Family Plans)
自営業やフリーランスの人、会社の保険に加入できない人が利用するプラン。「Healthcare.gov」や州のマーケットプレイスで購入できます。
- 収入に応じて補助金を受けられる場合あり
- プランの種類が豊富
2. 公的医療保険 (Public Insurance)
アメリカにも特定の人を対象とした公的保険があります。
メディケア (Medicare)
65歳以上、または特定の障害を持つ人が利用できる保険。
主な構成は以下の通り:
- パートA:入院
- パートB:通院・検査
- パートC (Medicare Advantage):民間の総合プラン
- パートD:処方薬
メディケイド (Medicaid)
低所得者向けの保険。
- 子どもを対象とした CHIP (Children’s Health Insurance Program)
3. 医療保険プランのタイプ (プラン構造の違い)
アメリカの保険は、加入先だけでなく “プランの仕組み” も重要です。主なタイプは以下のとおり。
HMO (Health Maintenance Organization)
- 事前に主治医 (Primary Care Physician) を決める
- 専門医にかかるには主治医からの紹介状が必要
- 費用は比較的低い
PPO (Preferred Provider Organization)
- 紹介状なしで専門医にかかれる
- ネットワーク外の医療機関も利用できる (費用高め)
- 自由度が高い
EPO (Exclusive Provider Organization)
- ネットワーク内の医療機関のみ利用可能
- 比較的費用は抑えめ
HDHP (High Deductible Health Plan) +HSA
高額免責 (Deductible) が特徴のプラン。
健康な人や自己管理できる人向けで、医療費をためておける HSA (Health Savings Account) が利用できます。
4. 知っておきたいキーワード
Deductible (免責額)
年間でこの金額を自己負担するまでは保険が支払われない。
Copay / Coinsurance (自己負担金)
保険料とは別に、医療機関で受診した際に支払う固定額/割合。
Out-of-Pocket Maximum (自己負担上限額)
年間の自己負担に上限があり、それ以上は保険が 100% 負担。
まとめ
アメリカの医療保険は日本よりも種類・制度が多く、慣れないうちは複雑に感じるかもしれません。
しかし、ポイントを押さえれば自分に合った保険を選べるようになります。
- 加入経路:雇用主、個人、公的保険
- プランの種類:HMO・PPO・EPO・HDHP など
- 必須用語:Deductible・Copay・Out-of-Pocket Maximum
この記事が、アメリカの医療保険について理解を深める一助になれば幸いです!
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