アメリカで看護師になるのに、RN(正看護師)になるか、LVN(准看護師)になるか迷っています、というご相談を受けます。それぞれのライセンスを取得すために必要な教育を受けなければなりません。それにかかる時間・学費が異なりますので、時間と経済的な面でどちらかにするかの決断が左右することもあると思いますが、どちらの選択にもキャリアを増進するチャンスがあるでしょう。今回は、RNとLVNの違いについてご紹介します。
RN vs LVN: 役割と責任
RNとLVNには多くの類似した職務がありますが、役割は異なることが多々あります。
責任においては、どのような状況でもRNがLVNより大きな責任を負います。介護施設、病院、クリニックでは、LVNはサポートスタッフとして働くことが多いです。LVNはRNと医師が管理するチームにおいて、指示に従いバイタルサインの測定や、基本的な看護ケアを行います。
- LVNは、RNや医師、その他の医療専門家の指示に従って業務を行います。また、RNの指示のもと投薬や治療を行います。また、患者のデータを収集し、RNや医師にレポートすることも大切な役割です。LVNは、RNと異なり、評価、看護ケア計画の作成、患者のトリアージを行うことはありません。
- RNは、LVNと比べ、独立して活動することを求められることが多いです。患者の情報を理解し、医師の指示のもと病気、また死に瀕する患者の治療を行います。また、症例の調査、健康促進と患者指導、健康相談、患者のトリアージ、リハビリテーションケア、慢性の疼痛管理なども含まれます。
RN vs LVN: 教育とライセンス
米国では、RNもLVNもそれぞれの州が規制しています。ライセンスの取得に必要な教育は、RNのほうがより多くの時間を要し、ADN(短期大学)またはBSN(大学)で学ぶことができます。一方、LVNは、1年ほどでプログラムを履修することも可能です。
LVN:
- 州によって、LVNの業務範囲と教育課程が決められています。LVNになるには、その州が認可したLVNのプログラムを終了する必要があります。専門学校や、コミュニティカレッジで1年ほどで履修できるプログラムもあります。
- 卒業後に、NCLEX-PN(准看護師資格試験)を受験し合格することにより資格を得ることができます。
RN:
- RNになるには、ADNまたはBSNで看護学を学ぶ必要があります。2年から4年かかりますが、どちらの学位を終了してもNCLEX-RN(看護師資格試験)の受験資格を取得することができます。合格することにより、RNの資格を得ることができますが、多くの雇用主がRNにBSNの学位取得を推奨しています。
RN vs LVN:収入
米国労働統計局(2021)によると、
- LVNの平均年収は、$51,850
- RNの平均年収は、$82,750
です。より多くの役割と責任を担うRNの収入の方が多いのは言うまでもありません。
採用ニーズについては、どのような労働環境であっても、LVN、RNともに必ず需要はあります。2021 年から 2031 年にかけて、LVN、RNともに、雇用は6%ほど増加すると予測されています。
まとめ
RNとLVNの違いについて、役割と責任、教育とライセンス、そして収入、雇用の展望についてご紹介しました。RNとLVN、どちらのキャリアが自分に合っているか。すぐに働きたいのであれば、LVNになるのが最適かもしれません。教育期間が短いため、費用も低く抑えられるでしょう。あるいは、時間と費用がかかっても、RNを望まれるかもしれません。LVNにはなったものの、やはりRNになりたい場合には、LVNからRNになるブリッジプログラムもあります。それぞれの状況、またゴールによって選択されるといいと思います。
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