アメリカで看護師になるには
アメリカでは医療従事者の需要が高まっている中、数々の医療機関でとくに看護師の人材不足が続いています。コロナ禍の影響もあり、外国からの医療従事者を求める病院もどんどん増えているため、ビザのスポンサーを探しやすくなりました。そんな中、日本人の丁寧さとホスピタリティを高く評価する医療機関は多いのではないでしょうか。 この記事では、アメリカで看護師になる方法をご紹介いたします。 アメリカで看護師になる方法 日本ですでに看護師の免許をお持ちの方 日本で看護師の免許を持っていない方 日本ですでに看護師の免許をお持ちの方 日本では、看護師免許を国家試験により取得しますが、アメリカでは州が免許を発行します。そのため、州によってプロセスは違いますが、日本の看護学校で履修した単位がトランスファーできます。 ステップ1. 書類申請 単位がその州の必要時間数に満たしていれば、アメリカでNCLEX(看護師免許試験)の受験資格がもらえます。単位が足りない場合は、不足しているクラスを履修することにより、受験資格がもらえます。また、ある一定の英語力(TOEFLなど)を証明することを求める州もあります。 ステップ2.NCLEX 看護師になるためにはNCLEX(アメリカ看護師国家試験)に合格する必要があります。コンピューター試験で、日本では東京と大阪で受けられます。 ステップ3.ビザ・永住権 NCLEXに合格後、すぐに看護師としてアメリカで働けるわけではありません。合法的に働くにはビザまたは永住権が必要です。 ビザを取得するにはスポンサーになる医療機関を探すことが重要です。 外国の看護学校を卒業している場合、コネクションがない限り、スポンサーを見つけるのはとても大変な作業になります。エージェントを利用した方がスムーズに進み、書類申請のお手伝いもしてくれるので、より早くアメリカで働くことができます。ビザまたは永住権を取得したら、晴れて看護師になれます。 日本で看護師の免許を持っていない方 日本で看護師免許を持っていない場合、アメリカの大学に入学し、アメリカで看護学を学んでから国家試験が受けられます。また、日本で免許をすでに取得していても、英語の勉強を兼ねて、留学を希望する方もいます。 ステップ1.留学 アメリカで看護師になるには、ADN(短期大学)かBSN(4年制大学)で、看護学を学びます。卒業することによりNCLEXの受験資格を得られます。 ADNの方が早く卒業できるので、RN(看護師)になる道のりは短いですが、現状として4年生大学卒のRNの採用を希望する医療機関が増えてきています。また、採用後学費を援助してくれる医療機関もあるので、ADN卒で就職し、働きながらBSN取得を目指すことも選択肢の一つです。 公立の大学は私立大学に比べ学費が安いですが、その分競争率が高く難易度が高いといえます。余談にはなりますが、日本から留学生としてアメリカで学ぶ場合、公立大学では外国人用の割高な学費を払わなければいけません。私立大学では、現地学生と同じ学費なので、留学を希望する場合学費も検討材料に加えることはとても大切だと思います。 ステップ2.NCLEX アメリカの看護学校を卒業していれば、アメリカ人と同じ扱いになります。働く州のState Board of Nursingに必要な書類を提出し、受験資格を取得したらNCLEXを受けられます。ここで重要なのが、State Boardが必要としている単位を満たす必要があるので、働きたい州にある看護学校を選ぶのがポイントです。 ステップ3.ビザ・永住権 NCLEX合格後、ビザまたは永住権のスポンサーを探さなければいけません。看護師はコミュニケーション能力が必要とされているため、面接の際、英語のスキルを試されます。スポンサー探しは難しいですが、留学で学んだ英語を活かせばアメリカ人看護師と同じように採用されます。 アメリカで看護師になる方法はいくつかありますが、一番困難なのが、ビザ・永住権のスポンサー探しです。 看護師の資格を取得していても、アメリカで働けなければ意味がありません。 弊社ではState Boardへの書類申請や受験対策の他、スポンサーのご紹介から永住権申請のお手伝いもしています。お気軽にお問い合わせください。
アメリカの看護資格の種類
アメリカでは看護師といっても様々な種類があります。日本の看護師と違って、業務内容がとても細かく分かれており、医師と対等な関係にあります。さらに、看護師の需要と年収が高いため、とても人気な職業です。ただ、必要な看護学校の単位などは州によって異なるため、働きたい州を選び、州の規定されている基準に従うことが重要です。 この記事では、各アメリカ看護師の年収、業務内容、そして資格取得方法を書いています。 看護師の種類について 看護助手 (Certified Nursing Assistant) 准看護師 (Licensed Practical Nurse / Licensed Vocational Nurse) 正看護師 (Registered Nurse) さらに高度な看護 (Advanced Practice Registered Nurse) 麻酔看護師 (Certified Registered Nurse Anesthetist) ナースプラクティショナー (Nurse Practitioner) 助産師 (Certified Nurse Midwife) 看護助手(Certified Nursing Assistant) CNAは正看護師や准看護師が行う業務のサポートをします。 バイタルサインの測定やベッドメーキング、清拭、体位変換、車いす移動など、患者さんの身の回りのケアを行うのが一般的です。 州公認の専門学校や短大へ入学し、トレーニングコースを受ける必要があり、4~12週間という短期間でのトレーニングを修了後、認定試験に合格するとCNAとして働けます。また、海外で看護師の免許を保持している場合、トレーニングを受けずに認定試験を受けることができる州もあります。CNAの平均年収は、州により違いますが約$35,500程です。 准看護師 (Licensed Practical Nurse / Licensed Vocational Nurse) 准看護師の仕事内容は日本と違い、しっかりと分業されています。 医師や看護師の指示のもと、診療の補助や血圧検査などの基本的な医療業務を行いますが、点滴を使用した投薬は業務には含まれないなど、州によって仕事の内容に多少の違いがあります。 州公認の看護プログラムを受講し、准看護師試験(NCLEX-PN)に合格すれば資格が交付されます。LVNの平均年収は、州により違いますが約$50,000程です。 正看護師(Registered Nurse) RNは看護助手や准看護師の管理者の地位になります。ADNとBSNの2種類のプログラムがあります。 ADN (Associate Degree in Nursing)は短大卒レベルの看護師を指し、BSN (Bachelor of Science in Nursing)は4年間の看護系大学を卒業した看護師を指します。どちらも同じNCLEX-RNと呼ばれる看護師資格試験を受けますが、ADNとBSNでは給料が異なります。 また、ADN卒の看護師に奨学金をだしてBSNのプログラムを推奨する医療機関も多くあります。それは、より高い教育を受けた看護師を多く持つことにより、その医療機関の看護レベルを上げるためです。アメリカの正看護師の給料は、州により違いますが、平均で年収$75,000程です。 さらに高度な看護 (Advanced Practice Registered Nurse) 4年生の大学を卒業後(Bachelor’s Degree)、専門の看護を学びたい看護師はRNとして数年間働き、そのあと大学院に入学します。 Master of Science Degree in Nursingを取得しなければなりません。 麻酔看護師 (Certified Registered Nurse Anesthetist) 麻酔看護師はクリニックや、外来の手術センター、病院などで、麻酔科医と協力して、安全な麻酔の管理を行います。 NBCRNAと呼ばれる試験に合格すればCRNAとして働けます。2022年から、Doctor of Nursing (Anestheria) Practice を取得しなければならなくなったため、さらに高度な教育を受けて取得できる資格になります。CRNAの平均年収は、州により違いますが、約$200,000程です。 ナースプラクティショナー(Nurse Practitioner) ナースプラクティショナーは高度の看護資格で、一定レベルの診断や治療ができます。患者を診察し薬を処方したり、必要に応じてレントゲンや血液検査もオーダーできます。 クリニックで予約をするのに、医師に診てもらうのかナースプラクティショナーに会うのかという選択がある機関も増えてきています。資格試験に合格する必要があります。NPの平均年収は、州により違いますが、約$107,000程です。 助産師 (Certified Nurse Midwife) CNMは出産前から出産後のケアやサポートを提供します。病院やバースセンターで働き、独立した妊婦検診、薬の処方を含めたプライマリーケア、超音波を用いた診断、出産介助、帝王切開の第一助手、患者教育、婦人科の検診、避妊具の挿入および避妊薬の処方、受胎調節、性病の診断・治療および患者教育などに携わっています。 CNMの平均年収は、州により違いますが、約$123,000程です。 アメリカで看護師になるために必要な書類申請、受験対策、ビザ申請方法などについてお気軽にお問い合わせください。