成功者ストーリー アメリカで永住権を獲得した医療従事者
アメリカで医療従事者として、グリーンカード(永住権)を取得された日本人看護師にお話を伺う機会をいただきました。 夢 日本で就職したものの、アメリカで看護師になる夢を胸に抱き渡米しました。 その後、一度諦めかけて日本に戻ったそうですが、やはり夢を捨てきれずに再渡米してきました。日本では、医療関係ではない仕事をしていましたが、”アメリカで看護師になる”夢はずっとブレる事なく「いつかきっと!」と抱きつづけていました。 これまでに何度もスーツケースをクローゼットから引っ張り出し、荷物を纏めて日本へ逃げて帰国してしまおうかと泣いたこともありましたが、今でしか叶えられない夢を諦めず本当に良かったです。 英語 英語が全くしゃべれない状態でアメリカに来て、勉強したことのない医療を、英語で学ぶのは予想以上に大変でした。 大学で日々講義を受けながらテストの度に「このクラスに落ちたら看護師にはなれない」・「また同じクラスを次のセメスターも取り直し」というプレッシャーが常にのしかかり精神的に追い込まれることもありましたが、同時に「アメリカで看護師になる!」夢を叶えるための勉強!と孤軍奮闘しながら、夢への意欲を掻き立てながらモーチベーションをキープしました。 外国人だからといって、英語のハンディーは貰えません。 しっかりと日本に居る間からの準備が必須です。 お金 勉強をするにも、生活をするにも、移動するにも、ビザの申請・更新をするにも、何かにつけてとにかく、全てにお金がかかります。円安も重なり、あっという間にお金が飛んでいきます。 資金源がしっかりないと、夢半ばで泣く泣く帰国になることも重々ありえます。 どのくらいの費用がかかるのかは、人それぞれの状況によって変わりますが、しっかりした計画が必要です。 仕事 仕事を始めて早3年になりますが、まず実感したのは、英語力の大切さ。 当たり前ですが、他のスタッフ、患者さんとの円滑なコミュニケーション、ドクターからの指示受け、勿論すべて英語です。急変患者の状況をドクターに説明するのに、的を得た簡潔なレポートができなければ、一気にドクターをいら立たせてしまいます。さらに、投薬等の指示を受けるのに、英語が聞き取れず聞き返しても、2度までは繰り返してもらえてもそれ以上は我慢してもらえません。常に必死に聞き取り!集中!そしてメモ! アメリカの職場で看護師の地位は確かに高いです。それは、それだけの仕事をすることを期待されているということでもあります。看護師は、LVNやCNAに指示を与え監督する立場。緊急事態が発生した時にどう行動できるか、いつも問われ周りも自分の仕事ぶりを見ています。 新人看護師よりベテランLVNの方が仕事ができることも多々あります。そんな時、円滑なワークロードのためにどう対応するか。スタッフとの付き合い方、英語力、コミュニケーション能力、いろいろな課題に日々直面しています。 日本に比べてアメリカの看護師はお給料が確かにいいと思います。ただ実感するのは、それに見合った仕事が求められていること。アジア系の比較的小柄なわたし達には、こちらの身体つきのいい患者のケアーは正直大変です。日々の仕事がとてもチャレンジングで、心身ともに鍛えられ、自分次第で限りなく成長できるのが看護師かと思います。 まとめ 貴重なお話を力強く語ってくださり、強い熱意を感じました。 夢に向かって更に邁進されるのだ!という意気込みを感じ、こちらも奮い立たされる思いでした。整った環境なんてありません。本当に強い意思と行動力の素晴らしさ!に尽きると思います。どんな困難が立ちはだかっても、ご自身で一つひとつ向き合い手を尽くし解決策を模索されて乗り越えられてきた行動力!素晴らしいと思います。 これからの活躍も応援しています。ありがとうございました!
海外からの医療従事者を求める 深刻な米国の医療従事者不足の現状
米国の医療業界は深刻な労働者不足に直面しており、その危機は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってさらに悪化しています。 米国病院協会は、2033 年までに最大 124,000 人の医師不足に直面すると推定しています。一方、需要の高まりに対応するには、少なくとも年間 200,000 人の看護師を雇用する必要があると予測しています。 また、現在の労働力の傾向が続けば、2026年までに650万人以上の医療従事者が永久にその職を離れる一方、彼らの代わりに就くのはわずか190万人で、国内で400万人以上の労働者不足が生じるのではと予測している研究もあります。 米国で最も人手不足に直面している職種や、医療従事者不足を緩和するためにどのような措置を取れるかなど、医療従事者不足について詳しく解説します。 なぜ医療現場では人材不足が起きているのでしょうか? 米国の医療人材不足の理由はいくつもあります。 主な要因は人口動態です。人々の寿命は長くなり、その分必要な医療ケアが増えています。その反面、医療従事者が高齢化してリタイアするものの、新しい医療従事者の数が追い付いていません。 その他の理由としては、過労労働を続けることにより起こる燃え尽き症候群などで離職する人がいることです。また、 糖尿病、心臓病、がん、アルツハイマー病などの慢性疾患の増加により、病院や長期介護施設のスタッフがさらに必要になっています。更に、看護学校や医学部の教員不足により、増大する需要に応えるのに十分な医師や看護師を教育できない現実もあります。 看護助手などの医療従事者の仕事の需要や教育要件は高いにもかかわらず報酬水準が比較的低いことも考えられます。 深刻に不足している職種 あらゆる種類の医療従事者が不足していますが、一部の専門職は他の専門職よりも深刻な不足に直面しています。 医師:医師不足は専門分野によって異なります。 最も不足しているのは、大変な仕事・長時間労働等にもかかわらず、報酬レベルが比較的低い分野にある傾向があります。感染症の内科医、プライマリケア医、小児科医は、皮膚科医、放射線科医、形成外科医に比べて収入が少ない傾向があります。その一方で、人口の高齢化により、循環器医、整形外科医、血管外科医、神経内科医、リウマチ外科医、呼吸器内科医、その他の老年病専門医の供給が増加して、その多くが高齢になり専門職そのものを辞めつつもあります。 看護師:2025年までに患者の直接なケアに従事できる正看護師が20万人以上不足する可能性があるという予測があります。2022年3月の労働力調査では、看護師回答者の29%が、直接な患者のケアを提供する現職を辞める可能性が高いと回答しました。そのうち 15% が、完全に職業から離れるつもりだとも答えました。多くの看護師は、燃え尽き症候群や給与不足を理由に、その職業を再考しています。保険、教育、人事など、新しい分野や関連分野でのキャリアの機会を求めて転職する人もいます。 看護プログラムへの入学者数は増加傾向にありますが、増大する需要に応えるにはまだ十分ではありません。 看護助手: 人口の高齢化に伴い、住宅や老人ホームで働く看護助手の需要が供給を上回っています。 ある調査では、2025年までに44万人以上の看護助手が不足し、特に急速な離職が問題になると推定されています。 人材不足の原因 燃え尽き症候群:臨床医の勤務は、長時間労働、猛烈なペース、精神的なプレッシャー、締め切りへのプレッシャー、影響力の大きい決定を迫られることの連続で、燃え尽き症候群になる危険性が高くなります。 医師と看護師の多数がストレスを感じているという報告があり、その割合はパンデミック中に急増した。 電子医療記録を常に更新しなければならないなど、管理業務の負担も燃え尽き症候群のもう一つの原因です。 長期的な影響としては、燃え尽き症候群に陥った医師、看護師、サポートスタッフが職を離れたり、標準以下のケアを提供したりする可能性が高く、患者の安全とケアの質が脅かされる危険性もあります。 人口の高齢化:人々の寿命が延びるにつれて、より多くの医療、特に心臓病、糖尿病、およびほとんどの種類の癌などの慢性疾患を治療するためのケアが必要になります。 その一方で、医師や看護師は補充されるよりも早く退職し始めています。NCSBN (National Council of State Boards of Nursing)によると、看護師 の年齢中央値は 2022 年には 46 歳で、2020 年の中央値 52 歳から低下しました。 教員不足:医療従事者を訓練し、教育する教員が、特に看護学校で不足していることです。 米国看護大学協会(AACN)の報告書によると、米国の看護学校は2021年に学部および大学院の看護プログラムへの資格のある志願者9万人以上の入学を拒否したそうです。主な理由として教員と臨床研修施設の数が不足していることが判明しました。 2022年の別の調査では、全米909の看護学校で合計2000人以上のフルタイム教員の欠員が特定されたそうです。 専門職の厳しさの割に給料が見合わない:一般の労働者と比較して、医療従事者の給料は高く、米国では、経験豊富な看護師の平均年収は 7 万ドル以上、医師の場合は 20万ドル以上であり、専門医は収入の上位に位置します 。 しかし、医学教育にかかる費用、学問の厳しさ、時間の制約により、多くの人がそもそも医学分野に参入することを思いとどまらせ続けています。 医師の場合、学部と医学部の教育にかかる費用は全額で 50 万ドルを超える場合があり、必要なインターンシップや研修を考慮すると、教育が完了するまでに 10 年かかる場合があります。その他の医療以外の専門職によっては、比較的少ない学費ですむうえ、ストレスの少ない仕事に対して高い給与が期待できます。 医療従事者不足をどうしたら改善できるのか テレヘルスの導入:現在、米国のほとんどの家庭でインターネット アクセスが利用できるようになり、基本的な健康相談や遠隔健康モニタリング サービスを幅広い層が利用できるようになり、また、多忙を極める医療従事者や施設がより多くの患者にサービスを提供することが容易になります。 同時に、一部の医療機関では、医師や看護師にスケジュールの一部をリモートで勤務するオプションを提供しており、これは、家族や家庭の事情で離職を検討していた人にとっては仕事を続けられる選択肢になります。 遠隔医療には、医療提供者にとっては費用対効果も高く、多くの患者にとっては便利であるという利点もあります。 さらに、感染症患者が感染の拡大を防げるというメリットもあります。 スケジュールを調整する:より生活に適したワークライフバランスを促進するために、一部の医療雇用主は、始業時間をずらしたり、シフトを重複させたりなど、柔軟なスケジュールをスタッフに提供しています。 また、スタッフが自分でスケジュールを設定できたり、一定の時間は在宅勤務することも許可するなどしています。 仕事を分担する:NP(ナースプラクティショナー)やPA(フィジシャンアシスタント)は、患者の診断や薬の処方など、かつては医師のみが行える責任の多くをすでに行っています。また、採血、点滴、入浴と食事、特定の看護業務などを准看護師や、看護助手が担うことにより、看護師の負担が軽減されます。 ふみ込んだ採用をする:熟練した医師、看護師、技師のような医療従事者を見つけるのは、単 に求人広告を掲載するほど簡単ではありません。医療 組織の文化にうまく溶け込みそうな人材を特定して引き付けるには、最新の AI ベースの採用ツールのサポートを受け、専門のヘッドハンターが実施するカスタマイズされた検索が必要になるでしょう。 スケジュールを調整する:より生活に適したワークライフバランスを促進するために、一部の医療雇用主は、始業時間をずらしたり、シフトを重複させたりなど、柔軟なスケジュールをスタッフに提供しています。 また、スタッフが自分でスケジュールを設定できたり、一定の時間は在宅勤務することも許可するなどしています。 まとめ 今回は、医療従事者の深刻な人材不足について、特に不足している専門職・現状・原因・改善策について解説しました。人口の高齢化により、医療のニーズが増加する中、供給が全く追い付いていない現状です。海外で教育を受けた看護師もいろいろな医療現場で活躍しています。 アメリカで看護師になりたい、などどんな些細なご質問でもお待ちしております。
アメリカ看護師が明かす大変なこと・辛いこと
高収入で、働き方にも柔軟性があり、やりがいもあるアメリカ看護師とはいえ、たくさんの苦労もあります。 どんなことをアメリカ看護師は辛く思い、大変に感じているのでしょうか。 みなさんと共感できること、たくさんあると思います。 1.患者の死に直面するとき 担当していた患者が亡くなるのを目の当たりにすることは、看護師として最も辛い。どんなに悲しくても、泣いている余裕はなく、動き続けなければいけない。 ”受け持ち患者さんが心肺停止に陥り、コードブルーを経験したときは、チームと必死に最善の処置を行った。それでも、救うことができず、亡くなった患者さんを目前に気が遠くなるような無力感を感じた。それでも、ドキュメンテーションをしなければならず、使用した医療器具を片付けなければならず、家族と直面しなければならず、そして他の受け持ち患者さんのケアがあり。。。感情に蓋をして働き続けるしかなかった。” 2.時に、看護師という職業について疑問を抱く意見を受ける 人は看護師という職業にどのようなイメージを持っているのだろう。 女性的な職業だと思っているだろうか。人によっては、医師との出会いを求めて看護師になったの?なんて思う人もいる? ”同僚の男性看護師は、患者の病室に入ると”ハロー ドクター”とあいさつされることがしばしばあって、自分は看護師であることを伝えると、なぜドクターにならなかったの?なるつもりはないの?などと聞かれる” ”自分が看護師であることを伝えると、ゲイだと思われることが何度もあり、もやもやしすることがあるという。” 人の潜在意識の中に、看護師は女性、医師は男性、というステレオタイプがまだ根強くあるのか?。” 3.長くてしんどいシフト 忙しくて、シフト終了までには精神的、感情的、肉体的に完全に疲労する。そして、翌日もまた同じことをするのかと思うとげんなりする。 ”12時間勤務で疲れ果てて帰宅して、身体ぐったりしているのに頭が仕事の緊張から抜け切れず、翌日の勤務のために睡眠をとらなければいけないのに、気が重く休めない。” ”仕事の緊張感やストレスからプライベートの時間も完全に抜け出せない。” 4.医療業界内外の人々から尊敬が欠如した対応を受ける 患者やその家族、マネージャー、同僚の医療従事者、時には医師から敬意が欠如した言動や態度を受ける。 ”医師に、注文していた機材が届いていない事を報告すると、がっかりした顔で首がを横に振られた。看護師は配達の遅延まで責任を持てない!全て看護師の責任とでもいうような態度はやめてほしい。” ”あなたは看護師でしょ、医師じゃないわよね?” と言われるとプライドが傷つく。 5.病院の政治に向き合わなければならない 医療は営利目的ではあってはならないが、利益重視の制作に直面する事がある。 ”検査器具の購入の際、性能よりもコストを優先していた。” 6.休むことなく働いているのに理解されない シフト中、ずっとトイレにも行けず走り回って患者重視の世話をしているのに、マネージャーからなぜ仕事が終わってないのか尋ねられて事がある。 ”患者のケアーを優先的に行っているのに、検査結果がまだ電子カルテにアップロードされていない事を責められた。” 7.アップデートされていない古い・あるいは時間がかかるテクノロジーを使わなければいけない 電子カルテシステムの導入により、ドキュメンテーションワークにかなりの時間を費やさなけれならず、実際の患者のケアーに支障をきたす。 ”電子カルテに不備たある度に、連絡・説明・解決に時間がかかり、ドキュメンテーションワーク時間が長くなり患者のケアーがおろそかになる。” 8.患者やその家族が看護師よりも知識があると思っている 患者やその家族が、看護師のやることなすことに質問してくる。あるいは自分で調べたインターネットの内容をもとに意見してくる。 ”オンラインで調べたら、わたしの症状は甲状腺だと思うの。その検査をしてください。と言われた。” 9. 週末も祭日勤務もある ”子供たちとの週末にゲームで遊ぶ約束を何度も破っている(涙) ”就職してすぐ、サンクスギビング週から新年まではバケーションをとらないように言われ、年末年始を遠くに住む家族と今年は過ごせないのかと、愕然とした。” 10. すべてを知らなければならない?というプレッシャー 看護師だから知ってるでしょ?というプレッシャー。看護師にはさまざまな専門分野があり、すべてを熟知しているわけではありません。 ”そんなことも知らないの?の雰囲気があり、気軽に質問できない。” ”知り合いから具合が悪いたびに連絡がきてメディカルアドバイスを求められる。蜂にさされた、火傷した、頭を打った、魚の骨が喉に刺さった、検査結果の説明、などなど。” 11. 薬物中毒患者のケア 薬物中毒に関連した入院数は年々増加傾向にあります。 ”麻薬が欲しいだけの人たちのケアーは想像以上に大変で、そもそも自分を大切にできない患者へのケアーには「無力」を感じる。” などなど。もちろん働く病院・施設によって違いますが、すでに看護師として働いている方は、そうそう、とうなづかれているでしょう。国は違っても共感することがたくさんあると思います。これから看護師になる方はどうでしょう? ”仕事はとてもストレスフルで、次から次に起こることを「英語」対処していかなければならず、常に緊張してる状態ですが、いつもどこかに助けてくれるスタッフがいて、感謝の言葉を述べてくれる患者がいます。” アメリカの看護師になりたい、そんなあなたを応援しています。 ご連絡お待ちしています。
なぜアメリカで看護師が人気の職業なのか -10の理由
現在、アメリカの大学では、ビジネス、アカウンティングと共にNursing(看護学)が人気の専攻です。 なぜ、アメリカでは看護師が人気の職業なのでしょうか? その人気の理由を探ってみましょう! アメリカでは30代、40代、またそれ以上の年齢の学生がたくさん学んでいます。一度、社会にでてからキャリアを変えたり、子育てがひと段落してから看護学を学ぶ学生も多いです。 1.安定した職業、高収入、手厚い福利厚生 看護師の求人は常にあります。多くの州で看護師が不足しており、雇用の機会に恵まれています。また、他の職業に比べ、高収入が望めます。アメリカ全土の看護師の平均年間給与は約80,000ドルで、有給の病気休暇や、有給休暇、健康保険、授業料の返還、退職の際のベネフィットなど、福利厚生が充実しています。 2.柔軟な勤務スケジュール アメリカの看護師の勤務は、医療機関によって8時間、10時間、12時間のシフトがあります。病院では、日勤専門、夜勤専門、という勤務体制が多いので、スケジュール調整がしやすいといえます。フルタイム、パートタイムに加えてパーディエムという働けるときのみ勤務する、というポジションもあるのも恵まれた勤務環境といえます。12時間のシフトだと、フルタイムでも週に3日か4日の勤務になるので、シフトの組み方次第で育児中の看護師も働きやすいかもしれません。さらに、トラベルナースは、希望する勤務地とシフトで仕事を選ぶこともできます。 3.看護師になるためのいくつかの道のり 看護師になるのに、いくつものルートがあり、最短では2年間の学びで看護師になれます。 ADN:短大で看護学を学ぶ。 BSN:4年制の大学で看護学を学ぶ。 ADN to BSN プログラム:これは、ADN(短期大学士)の看護師がBSN(学士号)を取得できるプログラム。 BSN to MSNプログラム:BSN(学士号)の看護師が、MSN(修士号)を取得できるプログラム。 ADN to MSNプログラム:ADN(短期大学士)からMSN(修士号)を取得できるプログラム。 ADNかBSNを取得して看護師になり、仕事をしながらさらに高度な学位を目指せるのも利点です。 4.高度な学位・キャリアアップのチャンス 看護師になってからも、高度な学位を取得することにより、賃上げが期待でき、またナースプラクティショナーや麻酔看護師、助産師になることもできます。また、マネージャーなど医療機関の運営や管理に携わる機会もあります。 5.専門分野を選択または変更できる 看護師は自分が興味のある分野を選択し、働くことができます。たとえば、ICU、心臓血管外科、メンタルヘルス、透析分野など、希望の分野にトランスファーできる機会に恵まれています。ハイストレスな職場で、精神的に燃え尽きてしまう場合もあるかもしれません。そのような時にも、専門分野を変えることにより更なる飛躍が望めます。また、さらに専門性の高い分野でスキルアップしながら働くことも可能です。 6.応用可能なキャリアスキルを学ぶ 看護師は、他の職業を選択した場合にも役に立つ、応用可能なスキルをいくつも身に付けています。例えば、いろいろな患者さんと臨機応変に対応できるスキルは、人とのコミュニケーション力を磨き、カストマ―サービスやカウンセリングなどの道が開かれるかもしれません。 また、看護師は常に忙しい状況の中、タスクに優先順位を付けて業務をこなさなければいけないという、タイムマネージメント・タスクマネージメントに優れています。 これはどの職種においても必須のスキルです。 さらに、看護師は常にアップデートされる医療の進歩、ITの導入などにも対応しているので、変化の受け入れ、適応力にも優れています。違う職種に就くことになってもチャレンジ精神で次の目標にスムーズに向かっていくことができるでしょう。 7.キャリアを変えずに仕事を変える 看護師はさまざまな環境で働くことができるため、労働時間に制限があるときも、違う職場で働きたいと希望する場合でも、看護師としてのキャリアを存続することが可能です。病院やクリニックに加え、スクールナース、ホームヘルス、リサーチナース、看護教員などさまざまな分野において看護師が求められています。 8.やりがいのある仕事 看護師の仕事は、患者の回復を目の当たりにできたり、感謝されたり、と個人的な充実感をもたらしてくれる機会に恵まれています。新型コロナウイルスのパンデミック中には、医療従事者は「医療の英雄」と呼ばれたほど高い評価を得ました。 9.トラベルナースという働き方 トラベルナースは看護師が不足している地域に、大きな需要があります。時給、住宅手当、交通費などが含まれる給与パッケージが提供されるので、個人の負担少なく仕事を得ることができます。トラベルナースは、旅行者としてではなく、居住者としてその土地に住むことになるので、すべての観光地を訪れ、観光客ではなかなか体験できない現地の生活を見る機会を持つことができます。 10. シンプルなワードローブ 最後に、ユニフォームについて。医療機関で働くと、ほぼユニフォームは無料で提供されます。日本と違い、自宅からユニフォームを着ていくことが多いので、仕事に行く前に”今日は何を着ていこうかしら”の悩みがありません。また、仕事用の服を購入する必要がないので、節約にもなりますし、クローゼットの不必要なスペースを使うこともありません。 アメリカの看護師になりたい、そんなあなたを応援しています。 ご連絡をお待ちしています。
② 本当にわたしの英語で大丈夫?
アメリカで、看護師として働くのにどのくらいの英語力が必要? 国際看護師を目指す皆様からの1番多い質問が、英語のレベルに関してのものです。言うまでもなく、得意・不得意に関係なく出来るだけ自然に流暢に使いこなせる事に越したことはありません。 前回①は、州によって、ライセンスを取得の際に必要とされる英語のテストTOEFL、またビザスクリーンに必要な英語のテストについてご説明しました。 さて、晴れて、アメリカの看護師免許を取得して、いよいよ就職したとします。 あたり前ですが、雇用先でのコミュニケーションは全て英語です。 私は日本人だから、、、そんな事は一切通用しません。 看護師(RN)は、准看護師(LVN)や看護助手(CNA)を監督する立場です。 患者の急変をドクターに、簡潔に報告し、指示を受け取る立場です。 簡潔に報告できますか?指示を聞き取れますか? 英語でうまくコミュニケーションがとれなければ、どうやって仕事環境で同僚たちから信頼を得られるでしょう。 新米看護師が、ベテラン准看護師や看護助手につらく当たられることもあるかもしれません。 また、ドキュメンテーションも全て英語です。 万が一裁判になった場合の証拠としても提出されるとても大切なものです。 ご存じのとおり、アメリカは医療訴訟も頻繁にあり、免許の剥奪もありえます。 実際にアメリカで看護師として働いている方から、「自分のライセンスだけは守りなさい。」と先輩RNからアドバイスされた、という話を聞きます。 ネイティブにひけを取らない英語が使いこなせればベストです。が、なかなか現実は難しいです。 ただ、覚えていただきたいのは、完璧な英語を求められているわけではありません。 アメリカはよく言われる「人種のるつぼ」が故に、多少のBroken Englishだったとしても、相手と意思疎通がきちんととれればいいのです。英語はツールとして使いこなし、少しずつでも磨き上げてください。必ず触れれば触れるほど、使えば使うほど、上達します! Technical(技術的)な英語のスコアも必須ですが、Practical(実用的)な英語もぜひ練習してください。必要なのは、英語が自然に出てくる頭つくりです。 もしかしたらあなたの英語のヒアリング、ネイティブスピーカーの2・3歳児より低いかもしれません。 ・日々、仕事やプライベートの場でこういうフレーズは英語でなんて言うんだろう?と英語に置き換えてみる。 ・英語日記を書いてみる。 ・道に迷っていそうな外国人を見かけたら話しかけてみる。 日本に居ても英語に関われる生活を送る方法は無数とあります。 この積み重ねが、アメリカで看護師として働き始めた時にスムーズに仕事に馴染めるか否かの鍵になります。 英語が出来ないからと国際看護師になる夢を諦めないでください。 あなたの「心の持ち方」次第です。 アメリカの看護師になりたい、そんなあなたを応援しています! ご連絡お待ちしています。
① 本当にわたしの英語で大丈夫?
アメリカで、看護師として働くのにどのくらいの英語力が必要? 国際看護師を目指す方から、頻繁に英語のレベル・スコアに関するご質問をいただきます。 まず第一に、アメリカで看護師のライセンスを取得するのは、州ごと。日本のようにライセンスを取得すれば、日本中どこでも働けるわけではありません。 カリフォルニア州のように、ライセンス取得に英語のスコアが必要とされている州もあれば、ニューヨーク州のように英語のスコアを必要としない州もあります(2024年1月現在)。目指される州のライセンス取得要項を確認する必要があります。 カリフォルニア州のライセンス取得に必要な英語テストはTOEFLです。 TOEFL(トーフル)とは、英語を母国語としない人を対象とした英語能力測定テストで、求められたスコアをとることが必要です。①リーディング、②リスニング、③スピーキング、④ライティングの4つのセクションから構成されています。 求められるスコアは、①リーディング22、②リスニング22、③スピーキング26、④ライティング22です。(合計92点) アメリカの大学を受験する際にも使われるテストで、一般の大学入学には80点以上が必要とされているので、レベルが想像できるかと思います。英検でいうと、準1級程度かと思います。 また、晴れてアメリカで看護師のライセンスが取れても、就労するにはビザが必要です。そこで必要とされるのがビザスクリーン(CGFNS)ですが、その審査にも英語のスコアが必要となります。 ビザスクリーンで有効とされている英語のテストは下記になります。 ・Cambridge English (B2 First, C1 Advanced, or C2 Proficiency exam) ・TOEFL iBT (Test of English as a Foreign Language, Internet-based Test) ・TOEIC (Test of English for International Communication) ・IELTS (International English Language Testing System) ・MET (Michigan English Test) ・OET (Occupational English Test) ・Pearson PTE Academic 前述のTOEFLでは、81点以上がビザスクリーンには必要です。 内訳は、スピーキングで24点、その他3セクションの合計が57点です。 また、IELTS(アイエルツ)をご存じの方も多いと思います。IELTSはTOEFLと同様、世界中の英語圏の教育機関において英語力の証明として認められているテストです。TOEFLがアメリカの団体によって運営されているのに対し、IELTSはイギリスの団体が運営しています。同じく①リスニング、②リーディング、③ライティング、④スピーキングの4つのセクションから構成されています。 IELTSの試験結果は、1〜9のバンドスコアで表されます。ビザスクリーンにパスするには、スピーキングで7、全体で6.5スコアが必要です。 目安としてですが、大学入試に必要なスコアは出願先の大学により異なりますが、バンド6以上になると出願できる大学の選択肢が多くなるようです。 TOEFLとIELTSも日本で受験することができます。 一度、今のご自身の英語のレベルを知るために受けてみるのもいいかもしれません。 また結果が届くまでに約1ヵ月かかる事もあるようです。 時間に余裕を持って受験されることをお勧めします。 アメリカの看護師になりたい、そんなあなたを応援しています。 ご連絡お待ちしています。
初挑戦でNCLEX – RN合格者・インタビュー
NCLEX – RN 合格者から挑戦者へのアドバイス(対談) アメリカニューヨーク州の看護師免許試験・NCLEX-RNの受験に日本から、初挑戦で合格された現役看護師さん(Tさん)のお話を伺いました。 現在、日本でNCLEXの受験勉強をされている(Yさん)との対談形式にてのインタビューです。 自己紹介(勤務・国際看護師をめざしたきっかけ) Tさん:3交代シフトでICUで働いています。アメリカ人の友人と知り合ったことをきっかけにアメリカで看護師になることに興味を持ちました。 Yさん:総合病院で3交代勤務です。元々アメリカのプロバスケットボールのNBA(National Basketball Association)とかスポーツが好きで、本場アメリカに行ってみたいと思ったのがきっかけです。 モーチベーション Yさん: ICUで、フルタイム、3交代勤務で・・・。勉強する時間を捻出するのは大変だったと思いますが、その状況かで、モーチベーションはどうのようにキープしたのですか? Tさん: 部署が移動になったり、勤務が2交代から3交代に変わったりしながらだったので、確かに大変でした。モーチベーションを常に保つのは難儀で、プリテストの結果が悪かったりすると余計に落ち込んだりもしましたが、周りの人に励まされたのが大きかったです。 Yさん: Tさんの周りに国際看護師を目指している人はいますか?自分の周りにはいないし、「おまえなんかに出来ないよ。」と言われそうで、なかなか言えません。 Tさん: 私の周りにもいません。でも、わたしは自分にプレッシャーをかける意味で婦長さんたちにも報告しました。そうすることで、モーチベーションUPにつながりました。”みんなに言った以上、合格しなきゃ!”という思いで本当に必死でした。話して理解を得られたおかげで、係を免除してもらえたり、勉強に使えるようにコンピューターの使用を許可されたり・・とても感謝しています。 勉強方法のアドバイス Yさん: 勉強方法のアドバイスがあれば教えてください。 Tさん: まず、勉強時間の確保をしました。例えば、準夜勤の日は早めに病院に行き、使わせてもらえるコンピューターで4時間くらい勉強してから、出勤していました。夜勤とかどうしても勉強時間が取れない日でも、1問だけ、2問だけ、、とにかく毎日問題に触れるようにしていました。勉強を始めた当初は、1問解くのに英語(医療単語)もわからず1時間もかかっていたんです。でも、やればやるほど、”わかる”ようになり、問題を解くスピードがどんどん上がりました。 初めてのプリテストでは正解率30%くらいしか取れず正直がっかりしたましたが、それでも諦めずに勉強を継続することで、正解率も勉強時間と比例するように上がっていきました。勉強方法は人それぞれだと思います。私はテキストブックよりもオンライン形式での勉強法が合っていました。各項目に基づいて、自分のノートをつくり、それを参照しながら勉強に励みました。 まとめ 1年足らずで、仕事をしながらNY州の看護師免許取得の申し込み・受験勉強をされ、見事に初挑戦での合格を達成されたTさん。ご自分で作られたノートを少し見せていただきましたが、カラフルにとても見やすくまとめられており、薬剤ノートなどは、アメリカで看護師として働かれてからもきっと役立つものと思いました。笑顔でYさんがTさんにおっしゃった「私にできたんだから、大丈夫ですよ!誰にでもできますよ!」と心強いお言葉が印象でした。 Tさん、Yさん、お忙しい中お時間をいただきありがとうごじました。 なりたい者になれるのは、なろうとした者だけです。 やりたい事ができるのは、やりたい事に挑戦した者だけです。 自分が変わらなければ、何も変わりません。 そんな甘い世界ではありません。皆さんも本気で挑戦してみてください。 昨日の夢は今日の希望であり、明日の現実!(ロバート・H・ゴダード) お二人のこれからの益々のご活躍を応援しています!
アメリカ看護師のファクトシート
アメリカで看護師として働くってどんな感じ? どんな人が働いているの?お給料ってどのくらい? 大卒が多いの? などなど、漠然とした数えきれないほどのたくさんの疑問が浮かぶかもしれません。 今回は、アメリカの看護師の実態についてAmerican Association of Colleges of Nursing (アメリカ看護大学協会)に記載されている Nursing Workforce Fact Sheet (看護師の労働ファクトシート)を引用してご紹介します。 Nursig workforce fact sheet 看護は最大の医療専門職であり、全国に約 520 万人の看護師 (RN) がいます。 看護師 の年齢中央値は 46 歳です。 また、看護師の 4 分の 1 以上が、今後 5 年間で看護職を辞めるか、退職する計画があると報告しています。 2022 年の 看護師人口の人種別内訳は 80% が白人でした。 7.4%が アジア人、 6.3% 黒人/アフリカ系アメリカ人、2.5% 複数人種、また、 0.4%が アメリカ先住民またはアラスカ先住民。 0.4% はハワイ先住民またはその他の太平洋諸島民でした。 2020年から2022年にかけて、看護職に就く男性の割合は、9.4%から11.2%に増加しました。 政府は、2021年から2031年にかけて、毎年20万人を超える新たな看護師の雇用が増えると予想しています。 看護師は、米国の労働力の中で給与が高い職業の一つです。労働統計局によると、内科・外科病院で働く看護師の55%近くの平均年間給与は77,600ドルでした。 看護師の労働力の増加には、予防ケアの重視の高まりなど、さまざまな理由が考えられます。 糖尿病や肥満などの慢性疾患の増加率。 また、団塊の世代の人々はより長く、より活動的な生活を送るため、医療サービスに対する需要も高まっています。 現在ほとんどの看護師は、4 年制大学を卒業して得られる学士号、またはコミュニティ カレッジ卒業で得られる準学位を取得して臨床現場に入ります。 2022 年の時点で、看護師の 71.7% が看護学士号以上の学位を取得しています。 雇用主は、学士号を取得している新人看護師を強く望んでいます。 新卒看護師の雇用に関するAACNの最新調査結果によると、雇用主の約28%が4年制大学卒の学歴を雇用の条件としています。また、72%は学士号を取得した看護師を強く望んでいます。 2022 年には、看護師の 17.4% が最高学歴として修士号、2.7% が博士号を取得しています。 現在、高度な診療、臨床専門、教育、研究の役割を担う修士号および博士号を取得した看護師に対する需要は、供給をはるかに上回っています。 アメリカで看護師になるには、などご質問がありましたら是非お気軽にご連絡ください。
看護師としてアメリカで合法に働くためのビザ
アメリカで看護師になることを目指している方。NCLEX(看護師免許試験)に合格すればすぐに看護師として働けると思っていませんか?現実は、アメリカで合法に働ける許可が必要です。実際、せっかくNCLEXに合格したのに、ビザがとれずに泣く泣くあきらめて帰国する方もいらっしゃいます。 米国市民か永住権保持者との結婚により、グリーンカードを取得されたり、抽選に当選されたり様々な方がいらっしゃいますが、今回は、アメリカで合法に働けるビザ取得についてお話ししたいと思います。 アメリカのビザ状況は頻繁に変わり、また個人の状況により、ビザの取得を左右することが多々あります。常に移民専門弁護士の無料相談を利用したりして、最新の情報の取得を心掛けてください。 h1- C ビザ このビザは看護師不足を補うためにつくられた外国人看護師専用のビザです。1999年に発足されて、一年に上限500人の看護師に発行されました。ところが、残念なことに2009年にH-1Cビザの申請は中止されました。現在もH-1Cビザは中止されたままです。 h1- B ビザ H1Bビザは、専門職ビザと呼ばれ、専門職を有する外国人労働者が申し込むことのできるビザです。例えば、医者、会計士、薬剤師、コンピューターのプログラマーなどがこの専門職に含まれます。H-1Bビザの申請に必要な重要要件のひとつに、最低の学歴として4年制大学の学士号、または同等のものを持っていることがあります。今現在、看護師は準学士号を取得していれば就くことができる専門職ということで、看護師の職はH-1Bの学歴基準を満たしていないと判断されています。という理由から、移民局は多くの看護師のH-1Bビザ申請を却下してきました。 グリーンカード 外国の看護師として、アメリカで合法に働くにはグリーンカードと呼ばれるアメリカ永住権を取得する方法があります。グリーンカード取得への道のりを大まかに説明します。 まずグリーンカードを申請するには、勤務先が必要です。ですので、NCLEXに合格したら、まず就職先を探します。ここでとても大切なことは、グリーンカード申請をサポートしてくれる医療機関を探すことです。 日本では、大規模に求人があるのは卒業の時期ですが、アメリカでの求人は年間を通してあります。また、求人の内容を詳しく確認することも大切です。例えば、大都市で移民が多い地域の医療機関では、バイリンガルの看護師を探していることがよくあります。日本語を話す看護師の求人があれば、とても有利といえます。また、看護師の免許はもちろんですが、BLS(Basic Life Support)の証明書を必要とされることも多いので、予めコースをとっておくこともお勧めします。 日本では、医療機関に申し込み、採用後、配属が決まることが多いですが、アメリカでは、求人のあるポジションに申し込む形が多いです。ですから、ICUを希望であればICUナース、Case Managerナースを希望であれば、そのポジションに申し込みます。申し込んでも面接に至るとは限らないので、いくつものポジションに申し込むことも勧めます。 日本では履歴書の雛形があり、その書式に沿って記入していきますが、アメリカでは履歴書はフリースタイルです。ですので、個人の特性をアピールすることが可能なので、リクルーターの目に留まるような工夫をした履歴書をつくってみてはいかがでしょうか。勿論、その後に備えて医療英語も含めしっかりと英語のスキルを身に付けておく事も必須です。 日本でたくさんのキャリアを積んでこられても、アメリカでそれが経験として加算されるかは医療機関によります。NCLEXに最近合格したということで、新卒扱いになるかもしれません。病院によっては、New Grad Program (新卒研修)に入るように言われるかもしれません。日本から来てはじめてアメリカで看護師として働く場合、新卒研修でいろいろ学ぶことも長い目で考えると有益かもしれません。 就職活動で話が長くなってしまいましたが、グリーンカード申請をサポートしてくれる医療機関が見つかったら、必要書類を集め応募します。CGFNSビザスクリーンの書類も必要になってきます。国際看護師採用要項は、医療機関によって違うので細かくチェックしていきましょう。その後は医療機関で就労しながら移民弁護士からの指示を仰ぎながら申請を進めグリーンカードの発行を待つ流れになります。 各個人により状況が違いますので、常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
CA州看護師1年目!滝口咲帆さんへのインタビュー
カリフォルニア州 看護師1年目:滝口咲帆さん 今回、カリフォルニア州で看護師として働き始めて1年目の日本人ナース:滝口咲帆さんにじっくりお話を伺う機会をいただきました。小さな病院で、本当に”Caring”な同僚に囲まれてお仕事を楽しまれてイキイキと輝きを放たれています! では、内容をご紹介していきます。 アメリカで看護師になるきっかけ 日本の高校を卒業して、すぐにアメリカに留学で渡米してきました。もともと、看護師になるつもりも興味もなかったのですが、アメリカで結婚後、体調を崩した義理の家族のお手伝いをしている時に、看護師に向いてるんじゃない?と親戚に言われた一言がわたしの看護師人生のはじまりでした。 看護大学と英語の習得 確かにアメリカの看護大学の学費は高いです。それでも看護師として働き始めた後の「お給料」や「やりがい」、そして何より「これから先の自分の人生」を考えた上で、誇りをもって働いていけるんじゃないかと思って一念発起しました。 4年生大学で看護学の勉強を始めたころは、留学経験はあるものの医療系に特化したバックグラウンドが何もなく、無知の分野を英語で学ぶということで、知識もさることながら英単語にもかなり苦労しました。ですが大学を卒業するころには、医療英語も習得し、NECLEX(アメリカの看護師免許試験)に1発合格!直ぐにアメリカの病院に就職できるほど英語をマスターしていました。正直、わたしもまだ英語にはかなりなまりがあると思います。でも、アメリカで話されている英語は、多様な人々のバックグランドもあり、なまっていても全然問題ありません。 ちなみにですが、アメリカで看護師になるには、ADN(短大)かBSN(4年制大学)のどちらかで看護学を学ぶ必要があります。どちらを卒業しも同じ看護師免許の受験資格を得られますが、実際に仕事を始めるとBSN卒の看護師は、患者さんの退院時の指導(Education)を行えたり、看護管理職への道が開けたりという違いがあります。わたしは将来を見据えてBSNを取得しておいて良かったな、と思っています。 新人看護師プログラム 3つの総合病院からオファーをもらい、最終的に小さな総合病院の循環器病等に就職を決めたました。 他の病院の新卒看護プログラムの期間や内容はわかりませんが、わたしの病院では13週ほどの新卒看護師プログラム中、プリセプターの人がつきっきりで丁寧に指導してくれました。自殺未遂で入院してきた人のケアや、ドキュメンテーションの仕方など、事細かにいろいろ学んだ内容の濃い13週間でした。 新卒看護師プログラムが終了したからといっていきなり一人前の看護師になれるわけもなく、不安な気持ちもあったものの、必要な時はいつも誰かが助けてくれる環境ということもあり、どこか安心感を持って仕事に打ち込めました。必ずわからないことを聞くと、同僚が快く教えてくれます。本当に感謝しています。 他の科のトレーニング 日本では看護師の就職は、病院に申し込み、採用が決まった際に、病院から部署に配属される流れかと思いますが、アメリカでは、〇〇病院の〇〇科に申し込むという形式です。 わたしは循環器病棟に就職しましたが、コロナ禍ということもあり、他の科でも人手が足りない時は、ERや、ICUなどのカバーに入ることも多々ありました。科によって、点滴投与ができる薬剤や、チャーティングの方法に違いもあり、他の科専門のトレーニングも受けました。本当にたくさんのスキルを身につけ経験を積ませてもらうことが出来ました。 他専門の仕事 人手が足りない時は、本来であれば、Wound Care Nurse(創傷ケア看護師)やRespiratory Therapist(呼吸療法士)がするべき仕事を一般看護師がすることもあります。 わたしも、かなりの重度の褥瘡や、ウジ虫がわいた創傷の処置、気管切開をした人の処置等のサポートに入ったことがあります。ウジ虫もひとつ一つとりました(笑) サービス残業 サービス残業はありません! 人手が足りてない時は、残業をすることはありますが、残業代は割高で賃金が貰えます。後のシフトの人員が足りていない場合は、病院から残業できるか直々に頼まれる事もあります。 個人的な記録として、最長22時間働いたこともあります。さすがに帰宅した時にはフラフラでしたが良い思い出になっています。 シフト わたしは、夜勤専門で週3日、1日12時間勤務でシフトを組んでいます。 1週間に3日、働きたい日に働いています。つまりもし連続3日働いて、4日休み、そのあとまた4日休んで、連続3日働くと、最長8日続けて休むこともできるので、そのあとに3日の休みをくっつけてもらうと、2週間くらい休みをとることも出来てしまっています。 なので、別に有給をさほど使わなくても、それなりにまとまったお休みを自分でスケジュールしてます。 同僚 わたしの職場の人間関係は、上下関係がなくフラットなので、ベテラン看護師も新人看護師も同じ立場です。 わからないことがあれば、いつでも教えてもらえるし、受け持ち患者さんが同時に処置が必要だったり大変な時は、必ず誰かが助けてくれます。もちろん、わたしも同僚のサポートにはいります。 誕生日の人がいれば、ケーキを準備して時間があるときに食べたりもします。一緒に働いている同僚がみんなチームとして相手を思いやる事のできる人達なので、楽しんで看護師の仕事を続けられています。 ドクターとのやりとり アメリカですから、いろいろなバックグラウンドのドクターがいて、なまりが強すぎて英語が聞き取りつらいドクターも正直います。年配のドクターで、怒って大声をあげるドクターもいたりしますが、師長さんが「私たちはチームで働いているんだから、誰が上とか下とかないでしょ!」とドクターとなだめてくれたりして、わたしたち新人看護師をいつも援護してくれます。頼もしい限りです。 年齢のこと わたしが看護大学で学んでいる時の他の学生は、40代、50代の方も普通にいました。5人の子供を産んでから、経済的な理由で看護師になる決心をしたクラスメイトもいました。逆に20代前半とか若い層の学生はほぼいませんでした。高い学費も影響しているのかもしれませんが、看護師になりたい、と思った時に、看護師になるのだから、年齢は人それぞれでOKですよ。やりたいからやるんです!それだけです! 私はもう〇〇歳だから、、、”といった年齢の壁みたいなものはアメリカの看護師には存在しません。 アジア人差別 わたしは看護師としてアジア人差別を感じたことはありません。 逆に日本人で良かったと思っています。というのもわたしたち日本人が小さい頃から当たり前に身に着けてきた「気配り」や「ホスピタリティー」が、アメリカではとても感謝されます。カリフォルニア州でもまだ日本人と接したことのない人たちも居て珍しがられる事もあり、患者さんとのコミュニケーションのきっかけになったりしています。 お給料 vs 物価 アメリカの物価はかなり上昇していますが、わたしは個人的に1年目の看護師として一般的職業と比較しても高いお給料をもらえているので、そこまでの苦にはなっていません。家賃も高いし、物価も高いですが、全然普通に生活できるお給料はもらえています。 看護師としての苦悩 「人種のるつぼ」と言われるアメリカで働くうえで、英語を話せない患者さんや英語なんだけどアクセントが強すぎる患者さんに直面することがあります。特にわたしの経験からいうと、中国人やヒスパニック系の人で全く英語を話せない人とのコミュニケーションは大変で、さすがに英語で会話が成立しない人 患者さんの看護にはもどかしさをいつも感じてしまいます。 たまにドクターの指示さえも強いアクセントで聞き取れず、聞き返すこともあります。アクセント英語は当たり前とはいえ、英語以外の言語の大切さも痛感しています。 これからの挑戦 看護学の勉強を続けていきたいです!今でもCode Blueの患者さんを目の前に頭が真っ白になることも正直ありますが、常に平常心でどんなケースにもしっかり対応する!ことを心掛けています。 臨床の経験をじっくり積んだ後は、ナースプラクティショナーになることを考えています。 国際看護師としての喜び 日本人で本当に良かったです!日本人は気質として細かく丁寧でキレイな仕事が当たり前に出来てしまう!「日本人の普通」は、「他の国の普通」とは違うので、当たり前に普通のことをしているだけで患者さんや同僚にとても感謝される機会が多々あります。 例えば、デスクを拭くにしても日本人が当たり前に拭くキレイは、他の人にとっては当たり前ではないんです。 自然に日本人として身についた気配りやホスピタリティーは一生ものです! まとめ 3日続きの夜勤明けとは全く思えないくらい、はつらつとエネルギッシュにインタビューにお答えいただきました。常に前向きに進んでいらっしゃる咲帆さんにとても励まされ、こちらまで何か挑戦したくなるほどでした。 最後にアメリカで看護師になることを夢みている方々へメッセージをいただきましたので紹介します。 「実際にアメリカで看護師になって、全く後悔ありません。一生もののライセンスですし、お給料が高いだけでなくステータスも高いし、どんどん上を目指せます。 アメリカで看護師をしている人の中には看護師はきつい仕事だ、という人もいるかもしれませんが、日本人にとってきつい仕事だとは思えない。」 「とにかくチャレンジすればいい。踏み出したらいい。踏み出したらとことん とにかくやってみてください。わたしだって高校の英語は落第点とってましたから。でもアメリカで看護師になって働いてます。きっと誰でもできます!」 本当に気さくで、なんにでもさばさばと快くお答えいただいた咲帆さん、本当にありがとうございました!将来、立派なナースプラクティショナーとして大活躍されることを応援しています。